母でもいいから居てほしかった。

(8/10の記事から読まないと内容が分からないと思われます。)

 

もしかしたら『癌』かもしれない、ってのはちゃんと考えてた。

 


一応T(借金2000万の男)にも伝えといた方がいいのかな?と思いLINEで連絡した。
そっこー返信がきた。思いのほか心配してくれて…。

Tが帰国して久々2人だけで会った。東京駅のどっかのカフェでお茶しながら、Tは今までの私の検査結果の紙をじっくりみてた。
T自身いろんなクリニックを買収していて、その中に婦人科のクリニックがあるのでなんとなく数字やアルファベットの羅列は理解してるようだった。

 

 

紙を見終わったTは私に「いろんな男と寝たからだろ」と吐き捨てた…。

 

放ったらかしたり、整形させようとしたりしてたくせに…一番最初に出た言葉がこれ。
私を放ったらかしにしたことは悪いとは思ってないんだ…。

 

 

なんだろう…自分の中で『彼氏』と『その他の男』はかなり区別している。なのでこんなこと言われても別にそこまでイライラはしなかった。
たぶん付き合ってもない男にこれを言われたらブチ切れたかもしれない。
けどTとは5年以上の付き合いだし、私の短所も指摘してくれるしで… 

 

基本私の中で『彼氏』って存在は『絶対』なんだと思う…。何を言われてもある程度はのみ込める。

 


でももう『彼氏』じゃないけど。

 

R君も、もしかしたら私が本当に癌かもしれないと思ったのだろう…。私より先にネットでいろいろ調べてくれていた。

 


仕事に行く前に電話で「あんまり飲み過ぎないようにね…出血しやすくなるから…」とか
普通の会話の途中でも「お腹痛くない?」とか、ちょいちょい心配してくれた。

 


継続していた検査の結果を聞きに大学病院に行った。

 


女医さんにはずっと「大丈夫」と言われていたが、検査結果は大丈夫ではなかった。
癌の可能性があるので入院手術の話になった。
子宮頸を円錐に切除し、検査しなければならないと…。

 


後日、入院前検査をしにまた病院に行った。心電図だの血液検査だのいろいろ受けた。
採血の際、看護師さんに「今まで採血で気分が悪くなったことありますか?」と訊かれたが
今まで採血で気分が悪くなることなんてなかったので「ありません」と答えたら、採血管が4つもでてきた…。そんなに取るの…?

採血後、廊下で心電図の順番待っている間に気分が悪くなった。
『あ…気絶する』って分かったので壁に手をあててヨタヨタ歩きながらトイレの個室に入った瞬間倒れた。

どれくらい経っただろう…。目がさめて立ち上がったら背中や顔に変な汗をかいていた。

   

 

 

 

 

 

全て検査が終わり、看護師さんから入院手術に関する説明をしてもらった。
手術の際、全身麻酔をするので同意書に親族の署名と手術当日家族の方のご来院をお願いしますと言われたが、私の家族はもう家族ではない…。
家族はいませんといったら「家族のだれでもいいので」と言われた。だから…いないんだって…。

 

 


両親に入院手術になったなんて連絡したくない。
実は未だに入院手術の事も定期的に検査している事も言ってない。

 

 

 

 

手術前日、姉夫婦が関西から顔を見に来てくれた。
姉が病室まで来てくれて2人でのんびり喋った。


回診で看護師さんや麻酔科の先生が来たが、みんな口をそろえて「喘息は大丈夫ですか?」ときく。
姉と2人で顔を合わせ「ん?」となった…。さすがに、なんで回ってくる全ての人に『喘息』の事を聞かれるのか不思議で
「私喘息じゃないですけど…」っていったら麻酔科の先生に「カルテに喘息と書いてありました」と言われた。
その麻酔科の先生はカルテを確認しておくと言ってくれたが、返答はなかった。たぶんカルテから消された。


手術前日の夜、さすがに怖くて寝れなかった。
Tからは連絡はなく、R君からメールが来てたが手術後落ち着いたらお見舞いに行くねとのこと。
落ち着いた時ではなく術前、術後の苦しいときに居てほしかった…。

 


手術の前日にいろいろ思い出して、一晩中泣いた。

 

 

当日、看護師さんに手術室まで連れていかれた。
台の上に寝て、たくさんの手術着をきた大人に囲まれ、

左手の甲に針を刺され、ほんの数分で意識がなくなった。

 

 

 

 


「○○(←私の苗字)さん!」って大きい声で呼ばれて起きた。

目を開けたら私の上半身の手術着の紐を結んでた。
…手術は下半身だけだったのに上半身も脱いでいたのか私は…?

 


目を開けたとたん、お腹に激痛が走って、体が寒くて声が出なかった。


痛み止め(?)の点滴をうつはずだったのに私の血圧が上60だったらしく、看護師さんの「血圧低すぎます!」って医師に話す声が聞こえた。 


だが、もともと正常時でも上80くらいしかないので60でも私の意識は一応ある…早く点滴してって叫びたかったけど声が出ない…。


いろんな管に繋がれたままストレッチャーで病室まで運ばれた。
カーテンの隙間から外が見えたが豪雪だった…。
姉とR君に手術が終わったと伝え、そこから、疲れたのかまたすぐ寝てしまった。

 


麻酔から覚めた時、正直誰かに居てほしかった…。
母でもいいからいてほしかった。

 

"ひとりぼっち"がこれ程寂しく感じたことはない…